自然な美しさをもたらす「自家製ドクダミチンキ」の作り方

ドクダミ

私たちの庭や道端でよく見かける、ちょっと独特な香りのある植物、ドクダミ。ただの雑草と思われがちですが、除草して「ポイ!」ではあまりにも勿体ない魅力的な植物です。自然派美容のススメ!ドクダミチンキとそのアレンジ法について考えていきます。

「やってみよう」のブログシリーズは、植物との暮らしを楽しむコツや、時には失敗談も含めて、リアルな体験をシェアしていきたいと思います。今回の「やってみよう」は、自然の恵みを生かしたスキンケア。自宅で簡単に作れるドクダミチンキの作り方と、ちょっとしたアレンジ方法をご紹介します。厄介者扱いされてしまうドクダミは、実は驚くべき効能を秘めています。

【目次】
1.ドクダミチンキのスゴイ効能
2.ドクダミチンキの作り方
①ドクダミの葉と花の採取
②ドクダミをよく水洗いし、水気をしっかりとる
③瓶に花を詰める(アルコール度数と注意点)
④保存と完成
3.ドクダミチンキのアルコールの注意点と抽出される成分
4.ドクダミチンキ使用時の注意点
5.まとめ

テントウムシとドクダミ

1.ドクダミのスゴイ効能

ドクダミのクエルシトリンは「利尿作用」があり、体から余分な水分を排出するのを助けてくれます。これによってむくみを解消し、新陳代謝を促進します。特に、暑い夏やむくみが気になる時には、嬉しい効果です。更に、体内の毒素や老廃物を「デトックス」するのでむくみ知らずのスッキリボディを目指せますね!

その他にも、ドクダミに含まれるイソクエルシトリンは「美肌効果」だけでなく、「抗酸化作用」があります。金属がサビるように、私たちの体も酸化していきます。活性酸素は体内で過剰に産生されると細胞を傷つけ、老化や生活習慣病の原因に考えられます。ドクダミは老化知らずの若々しい毎日の手助けをしてくれます!?このイソクエルシトリンはドクダミの花に多く含まれています。

ドクダミの花

 

また、デカノイルアセトアルデヒドはドクダミに含まれる特有の成分で「殺菌・抗菌作用」をもっています。外用の万能薬として、切り傷や擦り傷、虫刺されはもちろんのこと、アトピー性皮膚炎などさまざまな「皮膚トラブル」に効果的と言われています。デカノイルアセトアルデヒドは葉や茎に多く含まれる成分です。

ドクダミの葉

ドクダミに期待される効果
・利尿作用
・デトックス
・美肌効果
・抗酸化作用
・殺菌・抗菌作用
・皮膚トラブル改善
・アレルギー症状緩和

筆者がドクダミに注目した理由はこの「アレルギー症状の緩和」に期待したからです。いろいろ調べていくうちに「ドクダミチンキ」というものに出会いました。チンキは、アルコールに浸して有効成分を抽出したエキスのことです。別名として、ティンクチャーとも呼ばれています。アルコールを使うため、長期保存も可能です。さぁ、手作りドクダミチンキを作ってみましょう!


2.ドクダミチンキの作り方

用意するもの
・ドクダミ
・保存用ガラス瓶
・アルコール


①ドクダミの葉と花の採取

ドクダミは最も薬効が強い時期である5月の終わりから6月に採取するのが理想的です。しかし、この時期は蚊の活動期でもあります!蚊は雑草を休む場所として好んで使うため、ドクダミの群生に入る時はしっかりと対策を行いましょう。筆者は何の対策もせずに行ったがために大変な目にあいました…。

ドクダミ茂み2


②ドクダミをよく水洗いし、水気をしっかりとる

洗う

ドクダミを使用する前に、まずしっかりと水洗いを行います。
以下の手順で進めましょう。

準備:大きめのボウルやシンクにたっぷりの水を用意します。
水洗い:ドクダミを水に浸し、葉や茎に付着している土や汚れを優しく洗い流します。必要に応じて、指で軽くこすりながら洗浄します。
すすぎ:水が汚れなくなるまで、何度か水を替えながらすすぎます。きれいな流水で最終的にすすぐとより効果的です。
水気を取る:洗い終わったドクダミをザルに上げ、余分な水を切ります。その後、清潔なキッチンタオルやペーパータオルで優しく押さえながら水気をしっかり取り除きます。特に、葉や茎の間に残っている水分にも注意して拭き取ります。


③瓶に花を詰める(アルコール度数と注意点)

瓶にたくさんドクダミの花を詰め込んだら梅酒用のホワイトリカー、芋焼酎などをひたひたになるまで注ぎます。ホワイトリカーはアルコール分が35%のものが一般的ですが、肌の弱い息子に配慮して、果実酒用につくられた日本酒でもチンキを作りました。
手作り日本酒-removebg-preview


④保存と完成
蓋をして、室内の日の当たらない冷暗所に保存します。 数日間は1日に1度ほど軽く振り混ぜ、ドクダミとアルコールをなじませます。白い花と緑の葉が美しく、ハーバリウムとしても楽しむことができました!これから1ヶ月~3ヶ月と、どのように変化していくのかみていきたいと思います。

チンキ

 


3.ドクダミチンキのアルコールの注意点と抽出される成分

通常、日本酒のアルコール度数14度から15度程度のものですが、果実酒用には20度以上の日本酒があるのでこちらを使用しました。手作りのチンキや果樹酒を作る際には、
酒税法でアルコール度数が20%以上と定められているので、それらも頭に入れておきましょう。

アルコール度数の低いものは、度数が高いものと比べるとエキスの抽出に時間がかかりますが、水溶性の成分(フラボノイド、水溶性ビタミン、ミネラルなど)が抽出されます。アルコール度数が高いほど、脂溶性成分を効率的に抽出できますが、水溶性成分の抽出は難しくなります。脂溶性の成分には(精油、脂溶性ビタミンなど)が含まれています。こうして、アルコール度数によって抽出される成分は変わります。

筆者は虫刺されなどのワンポイントのものはアルコール度数が高いものにし、化粧水に利用するものは度数が低いものにして分けて使っています。

水・油


4.ドクダミチンキ使用時の注意点

①アレルギーの確認について
ドクダミやアルコールに対してアレルギー反応を示す可能性があります。はじめて使用する方は、皮膚に少量塗布して反応を確認することをおすすめします。
②妊娠・授乳中の方への注意
妊娠中・授乳中の方は、使用前に医師に相談することをおすすめします。
③薬との併用について
薬を服用している場合は、医師に相談してから使用しましょう。
※ドクダミチンキは伝統的な家庭薬として長い間用いられてきたもので、医薬品とはなりません。


5.まとめ

ドクダミの葉や花をアルコールに漬け込むことで、自然からの恵みをギュッと濃縮したエッセンスができあがります。チンキは作り置きができるので、ドクダミが手に入らない季節でも安心です。筆者は1年分のドクダミをせっせと梅雨前に採取します。チンキ以外にも、ドクダミを丁寧に乾燥させることで乾燥ドクダミが出来上がります。乾燥ドクダミはドクダミ茶にしたり、水で煮出したあとに化粧水にしたりできます。乾燥させることであの独特の香りがマイルドになり、「あの匂いがどうしても苦手・・・」という方にはおススメです。生のもより抗菌作用は少し控えめになるものの、健康を支える他の成分はしっかりと残っています。どちらにせよ、ドクダミの恵みを存分に活用できるのは間違いありません。ドクダミチンキでパワフルに、乾燥ドクダミでゆったりと、あなたの毎日を健康に保つお手伝いをしてもらいましょう。次回はドクダミチンキの経過と、活用法について紹介予定です。お楽しみに!

干したドクダミ

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