秋から冬にかけて美しい花を咲かせる「カルーナ/Calluna vulgaris/ギョリュウモドキ」

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カルーナは秋から冬にかけて美しい花を咲かせる植物です。可愛らしい小さな花が密に咲き株全体を覆いつくします。耐寒力があり、鑑賞期間が長いので、冬の寄せ植えや寄せ鉢に最適な花です。

カルーナの特徴
カルーナの種類
カルーナの花言葉
カルーナのお手入れ
カルーナの病気対策
まとめ


カルーナの特徴

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カルーナは、ヨーロッパ、シベリア、北アフリカに分配するツツジ科の常緑低木です。カルーナはエリカと近縁の植物で、エリカと同様ヒースと呼ばれています。しかし、エリカは南アフリカを中心に約600種以上と豊富ですが、カルーナは1属1種のみです。葉は鱗片状で、その間から花を咲かせます。しかし、花のように見えるものは萼で、その萼が大きく色づいて花弁のように見えますが、本来カルーナの花弁は5㎜ほどと小さく、反対に、エリカ属は花弁が2cmほどと大きいことが特徴の違いです。
密生して茂ることから、枝全体が1つの花穂のように見え、この枝でほうきをつくったことから、「Calluna(カルーナ)=掃く」が付けられました。円錐形やこんもりと丸く育つコニファーような形状なので、寄せ植えとしても使いやすく、寒冷地ではグラウンドカバーとしてもオススメです。


カルーナの種類

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カルーナは1000以上の園芸品種があり、花色や開花期の違い、木姿の他にも葉色も様々で、紅葉の時期には赤や黄色に美しく色づくものもあります。代表的な品種をいくつか紹介します。

ガーデンガールズ ビューティレディーズ
葉色が濃く、コンパクトな草姿なので寄せ植えにオススメです。花色は白、紫、濃いピンク、淡いピンクの4色があります。 やや背丈が高い性質でスラリとした草姿がスッキリとしています。米粒状のピンクや白の花が密生して咲く品種です。
アルバプレナ ブルガリス
白の八重咲きで、満開時のボリューム感が魅力的な品種です。 秋に赤やオレンジに葉が紅葉し、花は咲かせない品種です。葉色は上記以外にも、シルバーリーフのような淡いグリーンからフォレストグリーンのような深みのある色まで様々です。

カルーナの花言葉

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「自立」、「連理の枝」、「旅立ち」、「誠実」

真っ直ぐに伸びる性質と、原産地にある荒野や岩場などの厳しい環境にも耐え抜いてきた強い植物に由来して、「自立」が誕生しました。また、「連理の枝」は、カルーナが枝を絡ませながら生い茂る様子から、夫婦や恋人の深い愛情を表しています。


カルーナのお手入れ

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カルーナは寒さに強い植物ですが、高温多湿に弱いので夏の管理が最も大切です。雨や西日を避けて半日陰の軒下など風通しの良い場所に植えましょう。乾燥しすぎると枝や株が枯れてしまうので、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。肥料は ほとんど必要ありませんが、低温期に薄い液体肥料を施しておくと生育促進になります。 放任すると伸びすぎて乱れるだけでなく、下葉や株の中心部が蒸れて枯れやすくなります。開花後に刈り込みを行い、形をしっかりと整えておきましょう。


カルーナの病気対策

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カルーナは病気にはほとんどかかりませんが、害虫には注意が必要です。 3月から10月にかけてコガネムシの幼虫、アブラムシ、ハダニが発生しやすくなります。コガネムシは根を食害し、アブラムシとハダニは葉や花に吸汁します。これらは、葉が黄色くなったり、落ちたりし、場合によっては花が咲かなくなるので、殺虫剤や水洗いで駆除しましょう。


まとめ

カルーナは病害虫に強く丈夫で育てやすい植物です。秋には葉色を変えるので花だけでなく葉も堪能することができます。紅葉した葉色は落葉するのではなく、春になるとまた元の色に戻るので、変化を楽しんでください。

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