「コニファー/Conifer」庭の景観を美しく保つ人気の常緑樹

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コニファーは日当たりの悪さや寒さに耐える性質のものがほとんどで、どんな環境にも適応できる種類が多いです。葉色の明るいものや、黄色に近いものから銀葉と呼ばれる白っぽいものまで次々と新しい園芸品種が誕生し、お庭を華やかにしてくれます。

【目次】
コニファーの特徴
コニファーの種類
 L【ヒノキ科】ゴールドクレスト他
 L【マツ科】ポプシー他
コニファーの植え付けと時期
コニファーの育て方のポイント
コニファーの肥料
コニファーの病害虫
コニファーの剪定と時期
まとめ
コニファーに関するその他の記事


コニファーの特徴

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コニファーとは「マツ科」、「ヒノキ科」、「イチイ科」、「スギ科」などの針葉樹類の総称のことです。その為、日本の松やヒノキ、イヌマキも含まれるのですが、散らし玉づくりのように枝を左右に配したようなものはコニファーとは呼びません。古くから日本で建材などとして植林されていたものは除き、葉色が美しく小型で樹形まとまっているものをコニファーと呼びます。それらの木は自然と丸形や円錐形に整うものや、低くはうように広がるものがありますが、鉛筆のように細く円筒形に仕立てたり、円錐形に刈り込んで整えることによってよりコニファーらしくなります。


コニファーの種類

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ほとんど針葉樹は高木になるので、 庭木としては、生長の遅い矮性の品種のドワーフを選ぶこともポイントです。いろいろな科の木があるので、生長速度も違えば、樹形もさまざまですが、暑さには弱いものが多いです。
海外でクリスマスツリーとしても使われる「マツ科」に、観葉植物として親しまれているゴールドクレストがある「ヒノキ科」、耐影性があって刈込にも強い「イチイ科」、イヌマキの仲間がコニファーとして扱われる「マキ科」や、高さ数mにまとまる矮性の品種が使われる「スギ科」など様々な種類がコニファーとして使われています。その中でもコニファーとしてよく使われる、「ヒノキ科」と「マツ科」のコニファーをご紹介します。


【ヒノキ科】
ヒノキ科は大きく「イトスギ類」、「ヒノキ類」、「ビャクシン類」などがあります。 セイヨウヒノキ、ホソイトスギとも呼ばれるコニファーはイトスギ類です。その名のとおり、細長く樹形がまとまっており、左右に広がらないので狭いお庭でも人気があります。ヒノキ類は自生種は数種類ですが、ローソンヒノキをはじめ、園芸品種が数多くつくられ、 コニファーの中心ともなっています。ビャクシン類は暑さ寒さに強いので、日本でも育てやすいコニファーです。はうように伸びる品種も多く、アレンジも楽しい種類になります。

ゴールドクレイスト(ヒノキ科イトスギ属) アリゾニカオーレア(ヒノキ科イトスギ属) ピラミダリス(ヒノキ科イトスギ属)
カルフォルニアに自生している木です。黄金色の明るい葉色が人気ですが、蒸れや加湿に弱い性質です。 側枝がやや斜め上に伸びていきます。日当たりの良いところでは葉がよく映えます。 生育が早く、日当たりの良いところでは、細かい枝葉が白っぽい薄青色にみえます。
ヨーロッパゴールド(ヒノキ科クロベ属) エメラウド(ヒノキ科クロベ属)
ニオイヒバの黄金品品種で、冬には黄金に輝きます。移植に強い性質を持ちます。 暑さ強さ双方に強く移植も可能です。側枝が上に伸びていき、生長とともにボリュームが出てくる性質です。
ブルーエンジェル(ヒノキ科ビャクシン属) エレガンティシマ(ヒノキ科コノテガシワ属)
新梢は白く粉をかぶったように見えます。冬には灰青緑色の葉が紫がかります。 刈込に強く、枝や幹と一緒に平たい葉も重なるように立ち上がるため、円柱形や円錐形によくまとまります。

 


【マツ科】
マツ科は大きく分けると「トウヒ類」、「モミ類」、「ヒラヤマスギ類」の3つになります。トウヒ属はモミによく似ていますが、葉先がとがっているのでハリモミと呼ばれ、コニファーのなかでは暑さに強いほうです。モミ類はクリスマスツリーになるコロラドモミや、日本のウラジロモミなどがあり、葉がブラシのようについた小枝をたくさん出します。ヒマラヤスギ類は数十mの高木になりますが、刈り込まれたヒマラヤスギは以前から日本でも親しまれています。

ポプシー(マツ科トウヒ属) ピセア・グラウカ(マツ科トウヒ属) コンパクタ(マツ科モミ属)
銀青色の葉が美しく、クリスマスツリーになります。冬には灰色がつよくなります。 グラウカトウヒの名で出回っており、シンボルツリーとして使われることが多いです。 ずんぐりとした円錐形が可愛らしいコニファー。枝葉が密生するため暑さには要注意。銀青色の葉は新緑時には黄緑青色になります。

 


コニファーの植え付けと時期

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植えつけは寒暑を避けて植えつければ、特に問題はありません。日当たりを嫌う品種以外は、日当たり、水はけのよい場所を選んで植えましょう。日当たりが悪い場所では 葉色がきれいに出ないこともあるので、そういった場所では耐陰性の強い品種を植えるようにしてください。根の数も少なく、根張りが悪いイトスギ類は、風に吹きさらされるような場所では樹高を抑えて倒れないように注意しましょう。植えつけ時期は2月中旬~下旬から5月上旬、または9~11月が適期です


コニファーの育て方のポイント

暑さに弱い種類が多いので、西日が当たる場所に植えるときは、品種をよく選びましょう。 乾燥を好むものが多いですが、品種によっては乾燥が苦手なものもあるので、その場合はピートモスなどで乾燥を防ぎましょう。


コニファーの肥料

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順調に生長しているようなら、施肥は特に必要ありません。やせ地で枯れたり、葉色が悪いようなら2月と9月上旬に根元に少量施してください。あげすぎると枝葉が伸びすぎてしまうので注意しましょう。


コニファーの病害虫

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夏の乾燥期にイブキチビキバガの幼虫やハダニが発生することあるので、早めに殺虫剤などで予防しておくと安心です。また、枝葉が密生するので樹冠が蒸れて病害虫が発生することがあります。こまめに剪定をし、風通しをよくしておきましょう。病気が発生した場合はすぐに被害部分を切りとって、被害の拡大を抑えるようにしてください。


コニファーの剪定と時期

コニファーの魅力は刈り込まずに自然の姿でも楽しめることです。松類のように大胆に枝を剪定して樹形をつくる日本特有の強剪定は嫌うため、こまめに枝先を刈り込んでいくことがポイントです。5月下旬~6月上旬から12月にかけて3~4回刈り込むと、美しい葉色と樹形をいつも楽しむことができます。金属を嫌う種類が多いため、はさみで切ると葉先が茶色く枯れてくることがあります。しかし、しばらくして葉が伸びれば目立たなくなるので安心してください。指先で新芽をつみとると樹勢を抑えることができます。


まとめ
コニファーは落葉しないものがほとんどなので、庭が暗くならないように注意してください。日陰に強い種類も多いので、ほかの植物が苦手としている北側にコニファーガーデンをつくってみるのはいかがですか?葉色の美しさや、形のおもしろさなどお好きな樹種を選び、楽しんでください。

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