明治時代にオランダから渡ってきた球根植物です。葉の形が、まるでフェンシングの剣のように細長く尖っていることから、ラテン語で剣を意味するグラジオラスと名づけられました。また、英名でも花がユリの形に似ていので“Sword lily” (剣のユリ)とも呼ばれています。古代ギリシア・ローマ時代から愛されてきた歴史ある花です。
【目次】
グラジオラスの特徴
グラジオラスの季節
グラジオラスの花言葉
グラジオラスの育て方のポイント
グラジオラスの病気と害虫
グラジオラスの小ネタ
グラジオラスの特徴
まっすぐに伸びた茎の上部に広くひろがっている漏斗形の美しい花が次々と咲きます。華やかな花とピンとした剣状の葉は豪華な雰囲気を作り出します。園芸品種は数え切れないほど多く、形、咲き方、大きさもさまざまで、花色も緑から黒に近いものまであらゆる色があります。グラジオラスは春咲きと夏咲きがあります。春咲きは茎や葉が細く小ぶりで清楚で繊細な雰囲気があり、原種系とともに人気があります。夏咲きは草丈が高く、花穂も雄大で1茎に10輪以上の花をつけることもあります。
グラジオラスの季節
春咲きグラジオラスは前年の9月頃に球根を植え付け、開花時期は3~5月です。ゴールデンウイークの5月上旬に見頃を迎えます。 また、夏咲のグラジオラスは、同年の3月~6月に球根を植え付けると、およそ3ヵ月で花が咲くので、6~10月と長い間、花を楽しむことができます。
グラジオラスの花言葉
密会 思い出 忍び逢い
赤 / 用心深い
ピンク/ひたむきな愛
紫 / 情熱的な恋
昔、ヨーロッパではこの花は恋人たちの暗号として使われたていました。人目を忍んで会う恋人たちは、 この花を花かごに入れたり、花束にしたりして、その数で相手に密会の時間を知らせていたそうです。そこから、 「忍び逢い」 「用心深い」などの花言葉が生まれました。
グラジオラスの育て方のポイント
前年の秋には春咲き球根、早春には初夏に咲く球根が出回り始めます。球根のよしあしが開花の状態に直結するので、発根部がへこんでいない新しい球根を選ぶようにしてください。
春咲きと夏咲きの球根どちらも風通しと日当たりのよい場所に植えてくだい。養分が豊富な土を選び、よく耕すことがポイントです。乾燥に強く、過湿を嫌うので土の表面が乾くのを待ってからたっぷり水やりをするようにしてください。 グラジオラスは連作障害が出やすいので、花後に球根を掘り上げて別の場所に植えかえるようにしましょう。連作が進むと花数が減少していき、最終的には花が咲かなくなる危険性もあります。花後2ヵ月を目安に、葉が緑色のうちに掘り上げると球根の脇に付いている子球と呼ばれる小さい球根がポロっと取れます。掘り上げた球根は風通しのよい日陰でよく乾燥させてから、メッシュ袋になどに入れて暗い場所で保存してください。小さい子球は1年目は葉を育て2年目に花をつけます。
グラジオラスの病気と害虫
首腐病、フザリウム腐敗病に注意しましょう。土中の菌の増殖やチッ素が多く含まれていると枯れる原因になるため、有効微生物含有の土壌改良材を使用すると安心です。2~3年で植え場所を変え、収穫後の球根は十分に乾燥させることでウイルスの感染確率が低くなります。また、水はけをよくし、葉に水を直接かけないこともポイントです。
グラジオラスの小ネタ
かつてヨーロッパでは恋人たちの暗号として使われていた、グラジオラスですが、この花は、フェンシングの剣のように細長くピンと張っていることから「戦いの準備ができた」というこんな危険ないわれもあります。また、フランスでは、グラジオラスの意味は 「忘却」です。ちょうど花言葉が生まれたフランスでは、ナポレオン戦争や大革命などがあったことから、辛い過去を忘れようとこの花言葉がつけられたのかもしれません。花期の長いことも、理由の一つですが、こういった時代背景が由来ともなっています。明治時代に日本に渡ってきたグラジオラスはアヤメやショウブに似ていることから、トウショウブやオランダアヤメと呼ばれていました。
まとめ
暖地の場合は数年は植えっぱなしでも花を咲かせますが、連作障害が出やすいので気を付けましょう。必ず、球根をしっかり掘り上げるか、数年に一度は植え替えなどを行うなど対策してください。連鎖障害にだけ注意をしておけば育てやすい花なので、花色も形も豊富で美しいグラジオラスをぜひ挑戦してみてください。