ギリシャ語で麝香(じゃこう)を意味する「ムスク」から花名がつけられ、メロンのような甘い香りを放ちます。一度植えると、あちらこちらに芽を出し増えていく生命力の強い球根植物です。その性質を生かし、イギリスやオランダの公園では青紫のカーペットのような見事な群生を見かけることができます。
【目次】
ムスカリの特徴と種類
ムスカリの季節
ムスカリの花言葉
ムスカリの育て方のポイント
ムスカリ病気と害虫
ムスカリの花がおわったら
まとめ
ムスカリの特徴と種類
小さなブドウのような濃い青い花に白い縁取りの「アルメニアカム」が代表的な品種です。八重咲きの「ブルースパイク」や、細葉で丈が低く花数の少ない「ボトリオイデス」に、やや幅広の葉をつけ、2色咲きの「ラティフォリウム」、紫ピンク色の羽毛のような花をつけ、別名「フェザーヒヤシンス」とも呼ばれる「コモスム“プルモスム”」など約40種類ものムスカリがあります。薬剤処理などによって小さく作られた「矮性種(わいせいしゅ)」などの園芸用に品種改良されたものも多く出回るようになりました。1球から花茎が2~3本伸び、長い間、花を楽しむとことができるのが特徴です。ムスカリを群植させる場合は同種類のものを密植するとまとまりがよくなります。また、ムスカリはチューリップとの寄せ植えもおススメです。
ムスカリの季節
ムスカリを植える時期は10月中旬〜12月です。年内に植え付けができれば、翌年の3月中旬から5月まで花を楽しむことができます。早く植え付けると、カビが発生して球根が傷んだり、葉だけが伸びてしまったりするので、11月上旬~中旬頃に植えるのをおすすめします。遅めに植えると花がコンパクトに咲き、葉も5~6㎝の長さに抑えることができます。
ムスカリの花言葉
失意・悲観
ヨーロッパでは青や紫色はネガティブなイメージが強く、休み明けの月曜日のことを「ブルーマンデー」と表現するくらいです。また、今から6万年前イラク北部のネアンデルタール人の遺跡から埋葬花としてムスカリがたむけられていたという話もあります。ムスカリの美しい青は時として悲しみを表すことからこれらの花言葉が誕生しました。
ムスカリの育て方のポイント
球根はチューリップと同じ頃に出回るものを購入するのがポイントです。日本の土の多くが酸性です。ムスカリはこの酸性の土を好みません。アルカリ分が多く、マグネシウムを豊富に含む「苦土石灰(くどせっかい)」を水はけのよい土に撒いてから植え付けてください。ムスカリは水耕栽培でも育てることができるほど、球根に栄養を貯えているので、元肥を入れれば、追肥は必要ありません。日当たりを良くし、加湿にならないようにしてください。
ムスカリ病気と害虫
糸状菌(カビ)によって引き起こされる「白絹病」に注意しましょう。
土表面や株元に白くて細い糸のようなものが現れ、症状が進むと株全体が枯れてしまいます。白絹病菌は酸性土壌で発生しやすいため、上記で述べた「苦土石灰(くどせっかい)」を混ぜることによって白絹病の予防にもなります。
水を与えすぎて常に土が湿った状態だとカビが生えやすくなるので、しっかりと表面が乾いているかを確認してから水やりをしましょう。基本的に病気に有効な薬剤はありません。病気になってしまった株は抜き取りまましょう。
ムスカリの花がおわったら
葉が黄色くなる6月頃に茎を付け根から切り取ってください。ムスカリは葉と茎を使って光合成をし、また球根の中にエネルギーチャージをします。葉が枯れる前に葉を切ってしまうと球根に十分なエネルギーがいかないので葉が枯れるまでは待ちましょう。また、花が咲き終わり、種がついてしまうと、種に栄養が奪われてしまうので、終わった花はすぐ摘み取るようにしましょう。花をしっかり摘み取っていれば4~5年は植え替えはいりません。しかし、長年、植えっぱなしのままだと球根が増えすぎて、土の中で窮屈になり花つきが悪くなることがあります。花つきが悪くなったと感じたら、葉が枯れた頃に球根を掘り上げ、風通しのよい日陰で2~3日乾燥させてから、暗い場所で保存してください。
まとめ
水耕栽培でも人気のムスカリですが、お庭で育て、根を出したムスカリを水耕栽培にするのは難しいので注意しましょう。土の中で育った根は水中に最適化されていません。水耕栽培にチャレンジしたい方は根が出る前に行うのがポイントです!