【初心者向け】お庭がなくても野菜ができる「プランター菜園」part3~植え付けと育成~

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こんにちは。いよいよ家庭菜園シリーズも第3段!よい土づくりが終わったら次は苗ですね。
「苗半作(よい苗づくりができればよい作物ができる)」という言葉がある通り、よい苗を植えることがあなたの食卓に野菜が並ぶまでの近道です。プランター栽培には直接、種をまいて育てる「直まき栽培」と苗を植え付けて育てる「移植栽培」があります。
ここでは初めてでも育てやすい「苗からはじめる移植栽培」をご紹介していきたいと思います!

目次
苗を植えつける
苗の選びのポイント
園芸店やホームセンターで手に入るオススメの苗
植え付けのやりかたと手順

植え付け後にやりたいこと
支柱はなぜ必要なのか
支柱の長さと野菜の種類
つるをひもや支柱に絡ませる「誘引」

野菜の成長に必要なこと
水やりのコツ・タイミングは?
野菜のエナジードリンク「追肥(ついひ)」
不要な芽は取り除こう。芽かき・摘心で収穫UP
病害虫の出にくい環境づくり

最後に


苗の選びのポイント

種から苗を育てるまでには温度や水の管理など技術が必要です。そのため、初心者の方は自分で種から育てるよりも苗からスタートしたほうが気軽に挑戦できますし、失敗も少なくて済みます。特に発芽までに時間がかかるイチゴやキュウリ、トマト、ナス、ピーマン、白菜、パセリなどは市販の苗を購入するのをオススメします。またプランター栽培は育てられるスペースも量も限りがあるので苗を利用することで種を無駄にすることもありません。苗選びのポイントには以下のことを参考にしてください。

 

【良い苗】
・病気や害虫の被害がない
・茎が太くてしっかりしている、葉が青々としている
・葉が濃い緑色で下に子葉がついている
・ポッドの底から古い根が出ていない
・トマト、ナス、ピーマンはつぼみがついている

一般的に、園芸店やホームセンターに並ぶ苗の時期は植え付けの適期です。苗を購入したその日のうちに植えなくても大丈夫ですが、なるべく早く植えてあげてください。ポッドの土の量は少なく、水がすぐにきれてしまうので水やりのタイミングに注意し、日光をよく当ててください。購入した先の環境に近づけてあげれば問題ないでしょう。

 

【悪い苗】
・茎が細く柔らかい
・ひょろひょろと長く細い
・葉の出ている間と間の間隔が開いている
・枯れていて葉の裏にアブラムシなどがついている

まれに、お店でも植え付けの適期とズレたものが出回ることがあります。適期よりも早く売られている苗は貧弱なものが多いです。また、適期より遅いものは下葉が黄色く変色し、ポットのそこから枯れた根が出ています。これも老化した苗なので避けましょう。

 

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園芸店やホームセンターで手に入るオススメの苗

ミニトマト
品種例:イエローミミ・オレンジ千果・アイコ

キュウリ
品種例:シャキット・フリーダム・ピコQ

ナス
品種例:マー坊・みず茄・緑の極

ピーマン
品種例:ぷちピー・ピー太郎・ライムホルン

イチゴ
品種例:めちゃウマッ!イチゴ・おおきみ・天使のいちご

ミニニンジン
品種例:ピッコロ・スイートキャロット

コマツナ
品種例:楽天・きよすみ・よかった菜


植え付けのやりかたと手順

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苗をプランターに植え付けていきましょう。まずは適したプランターを選びます。大きさ、深さ、支柱の固定のしやすさがポイントです。植え付けのときに葉や根を傷つけないように十分注意しましょう。
人差し指と中指の間に根元を挟んで取り出すといいですよ!苗を植える時は株の成長を妨げないように苗同士のスペースを広げて下さい。3株以上植える時はジグザグ植えで間隔をあけて下さい。

じぐざぐ

 

培養土をプランターに入れる
苗を置いたときにプランターのふちからポットの土の表面までの間が3cm開くように底に土を入れて調節します。

苗を置く
ポットの苗にあらかじめ水を与えておきましょう。取り出した苗は根元の土をしっかりおさえて倒れないように土を加えて安定させます。茎がまっすぐになっているか確認してください。

残りの培養土を入れる
コンテナのふち下に3cmのスペースを残して残りの培養土を入れます。土をコンテナのギリギリまで入れてしまうと水やりの時に土が流れ出てしまうので、この空間はそれらを防ぐための「ウォータースペース」になります。

固定する
プランターをトントンと軽く地面に落とすと空気が抜けて培養土がしっかりいきわたります。土かさが減ったらその分だけ土を足しましょう。

仕上げに
プランターの底から水が流れるぐらい、たっぷりと水をあげてください。植え付け後は、ラベルに野菜の名前や植え付けた日を書いてさしておくと管理しやすいですよ。


支柱はなぜ必要なのか

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つる性の野菜や丈が高くなる野菜には支柱が必要になります。
トマト、ナス、ピーマン、ニガウリ、キュウリなど重い実がつく株は強風で倒れたりしないようにします。

支柱は竹製が主流でしたが、今はプラスチック製やビニールコーティングされたものが増え、耐久性も延びました。野菜の成長に合わせて伸縮性のある支柱も登場しました。竹はカビたり腐ったりして長持ちはしませんが、切断できるので処理にも困りませんし、自然由来のものなので野菜にも良さそうな気がして筆者は竹を選びました。

 


支柱の長さと野菜の種類

支柱選びは基本的には実がつく野菜は太いものを選んでおくといいでしょう。
1コンテナに1本、または3、4本を交差させて立てる方法に、ひもや針金を水平にまわすあんどん仕立てなど、立て方は様々です。1本仕立ては茎を1本に伸ばして栽培する野菜に適しています。あんどん仕立てはつるや茎が長く伸びる野菜に向きます。

支柱の種類

種類 長さ 適した野菜
仮支柱
(苗を植え付けた直後に立てるもの)
50~60㎝ ピーマン、ナス
1本立て 150㎝ ミニトマト、キュウリ
3~4本立て 90~120㎝ ピーマン、ナス
あんどん仕立て 150㎝ 小玉スイカ、インゲン豆

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(画像)あんどん仕立て

支柱を立てる時に「こんなに勢いよく刺してもよいものか・・・」と心配になりませんか?根に刺さることでもちろん根は傷つきますが、固定が悪く風などで揺さぶられる方が成長に影響しますので心配せずに刺してください!

 

つるをひもや支柱に絡ませる「誘引」

生長した茎や枝、つるを支柱に紐で結びつける作業です。枝をバランスよく誘引(ゆういん)することで日当たりや風通しもよくなり収穫量も変わってきます。支柱に野菜を誘引するときは、紐を茎と支柱に8の字でしっかりと結びます。茎は太ることを想定してゆとりを持たせましょう。ニガウリやインゲン豆などはツルが支柱に絡みつくので生育の初期に誘引すればそのまま成長していきます。


水やりのコツ、ポイントは?

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水は野菜の生長に必要不可欠なものです。水やりは土の乾き具合、野菜の種類や状態、天候なども考慮しなくてはいけません。そしてプランターの材質によってもあげかたが変わります。
日があたる環境で【春・秋は1日に1回】、【夏は1日に1~2回】、【冬は2~3日に1回】です。基本的には朝か夕方が好ましいです。
夏の暑い時間帯の水やりは葉焼けを起こしたり、与えた水が高温となって根を傷つけるので避けて下さい。また、冬の寒い時間帯の水やりは水が氷ったりしてこれもまた根を傷つけますのでご注意ください。

ウォータースペースいっぱいにためた水が鉢の底から少し出るくらいが理想です。水やりは水だけではなく空気を運ぶ作業も兼ねています。水と一緒に土の中の空気がコンテナの底から押し出され、新鮮な酸素が上部から根にいきわたります。ウォータースペースから水が溢れないようにジョウロのハス口を上に向けてゆっくりやさしく与えて下さい。


野菜のエナジードリンク「追肥(ついひ)」

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肥料を追加で与えることを「追肥(ついひ)」と言います。プランター栽培では水やりによって必要な肥料分が水やりのたびに流れ出てしまうため、追肥で補う必要があります。市販されている家庭菜園用の肥料は生育に重要な「窒素」・「リン酸」・「カリ」の3要素がバランスよく配合されています。
追肥のタイミングは植え付けから2~4週間後が目安です。
液肥は水やり代わりに与えられ、早く効くので初心者向けですが効果の切れも早いので週1回が目安になります。
固形や粒状肥料は液肥に比べて回数が少なく済みます。
生育の早い野菜には速効性を使い、栽培期間が長いものは緩効性タイプを使うことをオススメします。

肥料の形状 タイプ 追肥のタイミング メリット・デメリット
液肥 速効性 週1回 メリット:水やり代わりに与えられる
デメリット:効果の切れも早い
固形・粒状 緩効性 肥料が見えなくなったら メリット:与えてから長期間ゆっくりと効く
デメリット:追肥のタイミング管理が必要

 

肥料の種類

種類 原料 持続性 メリット・デメリット
有機肥料 油粕や魚粉、鶏糞など、植物性または動物性の有機物 速効性が低いが持続性が高い メリット:自然により近い、微生物が分解できる
デメリット:においが出るものがある
化学肥料 リン鉱石、カリ鉱石などの鉱物などの無機物
「単肥」「複合肥料」「化成肥料」に分かれる。(※)
速効性が高いが持続性が低い メリット:安価・手軽に施肥できる
デメリット:過剰な肥料は野菜を痛める

肥料はほどこす時期や間隔なども野菜の種類や上記で述べたよう使用する肥料によっても異なるので、袋や容器に記載されている使用上の注意を守って扱いましょう。

(※)化学肥料・・・無機養分一つのみを保証する肥料を「単肥(たんぴ)」、窒素、リン酸、カリウムのうち二つ以上の成分を保証する肥料を「複合肥料」と呼びます。複合肥料の中でも、単肥や複合肥料を配合して造粒または成形したもの、あるいは、肥料または肥料原料に化学的操作を加えて製造された複合肥料を「化成肥料」と呼びます。

 


不要な芽は取り除こう。芽かき・摘心で収穫UP

よい実を収穫するには芽かきと摘心もポイントです。
トマトやピーマン、ナスなどは成長すると葉の付け根から芽が伸びてきて、これを「わき芽」といいます。放置すると実が収穫できなくなるため、手で摘み取ります。これを「芽かき」といいます。

また、キュウリなどツルの伸びるものの先端を摘んで株の生長を抑える「摘心」があります。どちらも枝や葉の数を制限することで日当たりや風通しを良くし、実に養分を届ける働きがあります。


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病害虫の出にくい環境づくり

野菜が健全に育てば病気の心配はあまりありませんが、水やりの時に葉の裏も含めよく観察しましょう。早期発見、早期対処です!
病害虫は日当たりや風通しが悪く、蒸れる場所を好みます。成長したら芽かきをして環境を整えてあげて下さい。また水やりの際に土がはねて、土の中の菌や害虫が茎や葉につくことで病気になることがありますので、水やりは優しくおこなってください。また、枯れ葉や黄色くなった下葉は病気の発生源になるので取り除いてください。害虫は見つけ次第、退治してください。
害虫はコンパニオンプランツを植えたり、防虫ネットや防虫テープなどで防ぐことができます。予防に努めても100%病害虫を防ぐことは難しいです。古くからある方法としては、お酢を希釈して散布する方法もありますが、劇的な効果は期待できません。
薬剤に頼らざるを得ないときは、自然素材や食品添加物を主成分としている安心して利用できるものにしましょう。

 

最後に

そもそも筆者が家庭菜園に興味を持ったのは、息子に野菜作りを通して食べ物に興味、関心を持って欲しいと思ったからです。そして、息子はニンジンの種を、私は枝豆の種を選びました。この親子、朝顔のように「種を植えれば生えてくる!」と思っており、「今年の夏はビールと枝豆だ~枝豆って買うと結構高いもんね~」と大変浮かれていましたが、ニンジンも枝豆も見事に失敗。しかし、めげずに再チャレンジ。次は種からではなく苗を選びました。一見難しそうな野菜たちも苗からスタートだととても簡単でした。ここのところ天気もあまりよくなく、日もなかなか当たらなかったので、枯れてしまうのではないかと心配をしていましたが、病気にもならずにゆっくりのんびり生長してくれています。このまま順調に育ち、息子と一緒に食べるのが待ち遠しいです。とりかかるまでのハードルは高めの家庭菜園ですが、始めてしまうとその楽しさにハマってしまうこと間違いなし。今まで興味のなかった方もこのシリーズをきっかけに野菜作りの面白さ、育てる楽しさを知っていただけたら幸いです。
Part.1【初心者向け】お庭がなくても野菜ができる「プランター菜園」~準備と環境チェック~

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