今回は当社の作業で発生する枝葉についてお話ししたいと思います。
木を剪定すると、余分な枝葉が発生します。これを剪定ゴミといいますが、この「ゴミ」という言葉に、枝葉に対して当社がいかに注目していなかったかが表れています。当社が作業させていただいている現場で1年間に発生する剪定した枝葉の量は、軽トラック約1万3000台分にもなります。これをすべて「ゴミ」として、処理業者に有料で引き取りをお願いしています。しかし、自然の営みをふり返ってわかったことは、これが「ゴミ」ではなく「資源」だったということです。
山に行くと落ち葉が地面に広がっていますが、何十年と葉が落ち続ければ、だんだん地面の高さが上がって、木が自身の落ち葉で埋もれてもおかしくないように思います。でも実際はそうなりません。落ちたばかりの葉は、地表にカサカサの状態でありますが、そこを掘ると黒い土のような葉が出てきて、さらに掘るともう葉の形は見つかりません。これは、落ち葉が風雨にさらされ、土の中にいる微生物が葉の養分を食べて、「腐葉土(ふようど)」という状態になるからです。この腐葉土は栄養がいっばいで、木の成育にとって最高の土です。木はそこから栄養を吸収し、新たな葉を出します。そして、光合成をして、光のエネルギーで水と二酸化炭素から栄養素を合成し、酸素をつくり出します。自然のなかの木は、古くなった葉を落として、見事に自身でリサイクルをしているのです。
では、庭木の場合はどうでしょうか?庭木の枝葉は伸びると切られてしまい、落ち葉にいたっては、隣近所から苦情がくる「厄介者」です。当社を含め、ほとんどの植木屋は、お金を払って枝葉を「ゴミ」として捨ててしまいますが、もったいない話だと思うのです。「そこで、当社では新たに「リサイクル対策室」という部署を設けました。枝葉を細かくする機械はないか、もっと効率よく分解する微生物はないか、分解をお客様のお庭でできないかなど、2年間のプロジェクトとして研究を始めました。
※この取り組みは2022年9月現在休止しております※
お客様と「植木屋革命」クイック・ガーデニングをつなぐコミュニケーション誌 クイック・ガーデニング通信 2018年夏号vol.04 ,株式会社クイック・ガーデニング,2018年5月31日発行,4ページ