自然体に戻る『脱走』のススメ(QG通信2018年秋号vol.05掲載)

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生きづらい世の中です。

若者は、生まれたときから「人口が減り続けます」と言われて育っています。中年は、人生折り返し地点だと思っていたら、「これからは100年生きる時代です」なんて話が取り沙汰され、「えっ?半分も来てないの?」って感じです。

老齢の方々にいたっては、老いと病が同時に訪れても、死ぬまで働かなければいけないような雰囲気になりつつあります。それがかえって「幸せだ」という方は、この先は読まないで下さい。

現在、何らかの理由で『生きづらい』と感じている方は、その感覚は『正常』だと思ってください。

『自然体』でいられないということです。何かに縛られ、誰かと比較され、目標を見失っても歩きつづけることほどつらいものはありません。梅は桜に「もっと早く咲け」とは言いません。

でも人は「あの子はこうだ」とか「隣のだんなさんはああだ」とか、とかく比較して「おなじじゃなくちゃいけない」「もっと良くなくちゃダメだ」と考え、口に出すこともあります。なぜなら、人には『欲』があるからです。でもそれが行き過ぎると不自然な状態になり、『生きづらく』なるんです。そんなときは『脱走』をオススメします。

脱走と言っても、ネオン街に逃げてはダメです。自然の中に逃げてください。

山、川、 海が理想ですが、近くになければ公園や神社仏閣でもいいんです。神社参道の両脇には木が植えられていますが、これは神様に 向かう前に『自然体』にしてくれる効果があります。

お寺には必ず「○山寺△△寺」と、山の名前が付いていますが、それはお寺自体が修行する『山』になっているからです。 1時間でも1日でも自然の中に身を置いて『欲』から逃げると、自分を苦しめるのは自分だけだということが少し見えてきます。

すると、自然に元の場所に戻りたくなります。ただし、くれぐれも周囲には『脱走中』と伝えてくださいね。探されますから。

脱走のススメ
引用元:お客様と「植木屋革命」クイック・ガーデニングをつなぐコミュニケーション誌 クイック・ガーデニング通信 2018年秋vol.05 ,株式会社クイック・ガーデニング,2018年8月31日発行,4ページ