みかんの木は初心者にも育てやすい庭木です。地植えも鉢植えでも育てることができるため、挑戦してみましょう。
みかんの効能
みかんの種類
みかんの歴史
温州みかんの別名SATUMA(薩摩:サツマ)
香りの効果
みかんの育て方
環境
植え付け
水やり
施肥
摘果
収穫と保管
剪定
植え替え
みかんの効能
原種となる果実は3000万年前インドのアッサム地方で、中国を経て日本に伝わった日本を代表する果物ミカン。
ビタミンCが豊富なため、風邪予防や肌荒れにも効果が期待できると言われています。そのほかにも、カリウム、ビタミンB1、食物繊維などの身体に良いさまざまな栄養も豊富に含まれています。
みかんの種類
柑橘系のなかでもミカン類は、実付きがよく、育てやすいです。ミカン類は温州ミカン、ポンカン、キシュウミカンなどがあり、諸外国にはタンジェリンなど多数の仲間があります。また日本では一般的に収穫量が多い「温州みかん」を指す言葉となっています。
みかんの歴史
温州ミカンの原産地は鹿児島県の長島とされ、柑橘類で有名な中国の温州にあやかって「温州ミカン」と名付けられたそうです。
おおよそ400年前中国から伝わった柑橘の種が突然変異し種なしの「みかん」が誕生しました。その「みかん」こそが「温州みかん」で、全国に広がったそうです。
温州みかんの別名SATUMA(薩摩:サツマ)
みかんの英語?は」と尋ねられたら「orange(オレンジ)」を答える人がほとんどだと思います。しかし「オレンジ」は「みかん」と異なり、皮が厚くてむきにくい果物を指します。手で簡単に皮をむくことができる「みかん」は「satuma」呼ばれています。また英語辞典「satsuma(サツマ)」の意味は「ミカン」と書かれています。
なぜ日本の薩摩生まれての「温州ミカン」がイギリスやアメリカなどの英語圏の国で「satuma」と呼ばれているのでしょうか。
さまざまな所説がありますが、下記の2つの説をご紹介します。
・1878年にアメリカの駐日大使夫人米国人のバン・バルケンバーグ氏が温州みかんの苗木を本国に持ち帰った説
・幕末の薩英戦争で日本と英国の和平交渉際に、薩摩藩から英国に「温州ミカン」を渡したことから「satuma(薩摩:サツマ)」と名前が付けられ、後にアメリカにも渡った説
さまざまな説があり確かではありませんですが、世界でも人気があることは確かです。
香りの効果
初夏にはさわやかな香りでいっぱいになり、冬だけではなく夏にも楽しむことができる庭木です。ミカンの花のハーブ名は「ネロリ」、ミカンの花から抽出したアロマオイルは人気でその香りを嗅ぐだけで疲労回復・心身のメンテナンスにもなるとか。
~みかんの育て方~
環境
水はけがよく、日当たりの良い場所を選びます。冷たい風が吹きつける日などは、防風対策をしましょう。
植え付け
地植えでも鉢植えでも育てることこができます。3月以降の暖かくなってきた春植えがメインです。真冬の寒い時期は避けましょう。
水やり
地植えの場合は夏頃までは表面の土が乾いたら、毎日たっぷり水やりをします。成長期に水切れすると、落葉の原因になることがあります。冬は乾燥気味に3~4日に1度が目安に水やりをし、鉢植えの場合は乾燥したら水やりをします。
施肥
常緑樹のため、地植えや鉢植えともに肥料を年に3回を目安に与えましょう。3・6・10月に「有機肥料」「速効性の化成肥料」を施肥することで、花芽の増加、果実の結実に効果が期待できます。肥料不足の場合は葉が変色しますので、よく観察しましょう。
摘果
着果数が多い場合は、奇形果、小さい果実を優先して摘果(果実の数を間引き)しましょう。たくさんの実がなると、庭木に負担がかかり、隔年結果になりやすいため、7月から9月上旬ごろまでに1枝に2個程度を目安に摘果を行いましょう。
収穫と保管
オレンジ色に熟れたら、収穫します。また収穫したみかんは通気性がある涼しい場所で保管しましょう。
剪定
4月下旬に新芽が出てくる前までに剪定しましょう。下垂した枝を剪定し、内部の風通りや日光当たりがよくなるようにお手入れしましょう。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐため、成長の状況を見て3~4月に植え替えをしましょう。
~害虫~
ハダニ類
ハダニ類は体色が赤色のミカンハダニをはじめカンザワハダニ、体色が緑色のナミハダニなど多くの種類が存在します。全長0.3~0.5mmほどで、葉の裏に生息する。肉眼で確認することが難しく、被害が拡大してから気づくことが多いです。葉を吸汁した部分は葉緑素がなくなり、白っぽい「カスリ状」の斑点となる。白い斑点が多くなると、葉の全体が白っぽくなり光合成が阻害し、生育にも影響を及ぼします。また気温が高い地域のミカンハダニは休眠しません。
【対処法】
乾燥した環境を好むハダニ類は「水」が苦手です。そのため初期であれば、葉裏に強めの水圧でシャワーをして、洗い流しましょう。状況が改善されない場合は薬剤の使用も検討しましょう。
アブラムシ類
体長1.5~4mmほどで、体色は緑色だけではなく桃、赤、黒色など種類よって異なります。なかには羽が生えているアブラムシも存在し、繁殖力が強い虫です。吸汁をすることで、急に葉が枯れたりすることありませんが、排泄物(甘露)で「すす病」を誘発します。「すす病」になるとすす(菌糸)が葉や茎の表面を覆うため、光合成を阻害し、生育が抑制されて病気にかかりやすくなります。
【対処法】
粘着力の弱いテープで、直接アブラムシを取り除きましょう。また忌避剤として木酢液を散布することで、アブラムシを近づけさせない効果があります。大量に発生した場合は、薬剤の使用も検討しましょう。
カイガラムシ類
種類が非常に多く日本だけでも約400種類報告されています。形態や生態はさまざまで小さなトゲトゲがついていたり、殻に覆われていたり、やわらかな綿のようなカイガラムシまで存在します。庭木の樹液を吸い取るため、枝枯れや衰弱などの被害を引き起こします。また排泄物や分泌液により「すす病」を誘発します。「すす病」になると葉が変色し、光合成が妨げられます。
【対処法】
5月〜8月に繁殖活動の時期に定期的に木酢液を使用するとよいでしょう。また殺虫剤を使用したい場合は、成虫の時は体の表面が殻で保護されているため効果が期待できないため、幼虫の時に使用しましょう。薬剤を使用しない場合は、歯ブラシやヘラ等でこすり落としていきます。カイガラムシから体液が出てくることもあるため、手袋やマスクを使用しましょう。小さいサイズの場合はホースなどで洗い流し、また可能であれば剪定して取り除くことも1つの方法です。
ハマキムシ
ハマキガの幼虫で、種類にもよりますが体長2cmほどです。名前のハマキガ(葉巻虫)の字から分かるように、やわらかい葉はくるっと巻いた中で、硬めの葉は2~3枚葉を吐き出した糸でつなげて内部で生息します。葉、芽、つぼみ、果実を食害し、食害にあった葉は表面が白っぽく透明になり光合成が行えなくなるため生育が遅れます。また果実は外から内部に入るため、落果の原因にもなります。
【対処法】
淡い黄色の楕円形は卵のため、見つけたらすぐ処分しましょう。また葉の中に幼虫には薬剤が効きにくいため、発見したら葉っぱごと取り除き処分しましょう。大量に発生した場合は、葉の内部にかかるように薬剤を散布しましょう。
みかんの年間お手入れスケジュール
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