限られたスペースや土のない場所でも、自分好みの小さな庭づくりを楽しめる寄せ植え。生け花の技法を取り入れてつくる“生け花風”の寄せ植えなら、初心者でも趣のある寄せ植えがつくれます。草月流1級師範である古賀有子さんに“生け花風寄せ植え”のコツと手順を教えていただきました。
生け花風寄せ植えのポイント
寄せ植えの植物を選ぶとき、次の5つの役割を考慮して選ぶと全体バランスのよい配置ができます。
■高低差を付け立体感を出す
・主役…メインになる植物
・準主役…引き立て役の植物
・脇役…「主役」と「準主役」を強調しつつバランスを保つ植物
■広がりや奥行きを演出
・つなぎ役…空間をつなぐ植物
・根締め…根元を隠す植物
寄せ植えの手順
[寄せ植えの材料]
・鉢
・鉢底ネット
・土入れ
・培養土
・割りばし
・肥料
・ハサミ
・苗
・鉢底石(赤玉中粒)
上記写真寄せ植えの配置図
[A]主役 ヒイラギ(ブループリンス)
[B]脇役 エレモフィラ
[C]準主役 サザンクロス
[D]つなぎ役 コバノランタナ
[E]根締め チェッカーベリー
[F]根締め ビオラ(ヘブンリーブルー)
[G]根締め ベロニカ(ミッフィープルート)
[H]根締め ペンステモン(スモーリー)
[手順]
【1】
鉢に鉢底ネットを敷き、鉢底石を入れる。あらかじめ元肥を混ぜた培養土を鉢の高さ1/3ほど入れる
【2】
「主役」の苗[A]をポットから取り出す。表面に付いたコケや不要な土を割りばしで落とし、根鉢を小さくする
【3】
「主役」の配置を決める。中心よりやや後方に配置するのがおすすめ
【4】
[B]「脇役」、[C]「準主役」になる苗を、手順2同様に、表面の土を落としてから植える。必要に応じて植えるスペースにあわせ、根鉢を手のひらで軽くつぶし整える
【5】
[D]からアルファベット順に残りの苗を配置図通りに鉢に入れ、全体のバランスを確認する。伸びすぎた茎やえだは切り整える
【6】
すき間に培養土を足し、割りばしを使ってしっかりと入れ込む。水がこぼれないよう、上部に1㎝ほどウォータースペースをつくる
※ウォータースペースとは、水やりの時に土にしみ込む前の水が鉢からこぼれないためのスペース。
完成したら鉢底から流れ出るまで、水をたっぷりと与えましょう!
生け花風寄せ植えの参考例
[参考例1]
[A]ガーデンシクラメン
[B]ハボタン
[C]ビオラ
[D]イベリス
[E]アリッサム
・外側に少し傾けて植えると立体感や広がりが出ます
・[A]のガーデンシクラメンは、アクセントになる植物。変化が出て全体に締まりがでます
[参考例2]
[A]クリスマスローズ
[B]エリカ
[C]ビオラ(ヘブンリーブルー)
[D]ワイルドストロベリー
[E]シロタエ
[F]イベリス
・一番背の高い植物の総丈が鉢の高さと直系を足した長さと同じくらいになるのが理想的なバランスです。
参考例2の場合、鉢の高さと直系を足した長さと[B]エリカの総丈が同じくらいとなっています。
【監修 古賀 有子(こが ゆうこ)】
ガーデンKOGA代表。コンテナガーデニングマスター。(社)日本家庭園芸普及協会認定グリーンアドバイザー。草月流1級師範。器を水盤にたとえ、花を生ける感覚で植物を植える「生け花風寄せ植え作家」として活躍中。
「植木屋革命」クイック・ガーデニングでも剪定や伐採のほか植栽も承っております。
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