古くから愛される庭木の王様「モッコク(木斛)」

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すでに江戸時代には「江戸五木」として親しまれてきたモッコク(木斛)。それにとどまらず、「三大庭木」の一つでもあり、まさに「庭木の王様」と呼ばれるのに相応しい樹木です。なぜモッコクがどちらにも名前が挙げられるほど、高く評価されているのでしょうか?その理由を探してみましょう。

江戸五木と三大庭木

■江戸五木
江戸時代に人気の高かった5つの庭木
モッコク、アカマツ、イトヒバ、カヤ、イヌマキ

■三大庭木
庭づくりに昔から親しまれている常緑樹
モッコク、モチノキ、モクセイ

モッコクの特徴

「庭木の王様」と呼ばれているように、風格のある樹形に育ち、樹高は平均6mほどに成長します。常緑樹なので、冬でも緑色の葉を保ってくれます。美しい樹形と光沢のある葉、香る花、赤く色づく実と新芽。四季折々いくつもの表情を見せてくれるところも人気の要因です。

日本庭園造りには欠かせない庭木で、古くから武家屋敷などに植えられてきました。またお寺や神社でもよく見かけます。自然のままで樹形が崩れにくく、水やりも不要でお手入れの手間も少ないため、公園にも植えられています。

手間をかけなくてもあれこれ楽しめるモッコク。昔から人気がある庭木なのも納得です。

モッコクの葉

葉の形状は卵型で6cm前後の大きさ。肉厚で付け根部分の葉柄(ようへい)が赤くなっています。光沢のある葉は水を弾くので、雨後は水滴が光を集めた美しい様子を見ることができます。

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新芽は赤く色づいていることが多く、春に芽吹いた若葉が夏に向けて次第に緑に変化していきます。萌芽力(ほうがりょく)が強いので、幹にも胴吹き芽(幹の途中から吹く芽)が見られます。

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モッコクの花と実

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6月~7月ころに花を咲かせます。咲いた花の香りは芳醇で、見るだけではなく香りでも楽しませてくれます。花後には直径1〜1.5cmの球形で緑色の実ができます。

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9月~10月ころには緑だった実が熟し、実の皮がパクリと割れます。割れからのぞく種子はとてもきれいな紅色です。

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メジロやツグミ、アカハラなどの野鳥はこの赤い実を好むので、「誘鳥木(ゆうちょうぼく)」として活躍してくれます。冬のお庭に鳥を呼ぶことで、春以降も鳥がやってきて庭木についた虫を食べてくれます。野鳥たちとの共生を楽しめるかもしれませんね。

雌木と雄木の違い

モッコクは雌木と雄木の区別がある庭木です。両性花をつける木と雄花だけつける木があります。どちらも花は咲きますが、両性花をつける木にしか実はつきません。

公園の木には雄木が植えられることが多いようですが、赤い実の華やかさや、それを目当てに集まってくる野鳥を楽しみたい場合は、両性花をつける雌木を選ぶのがよいでしょう。

モッコクのお手入れ

手間をかけなくても自然樹形である程度形が整うモッコクですが、放置してしまうと小枝に葉が茂り、風通しが悪くなり害虫が発生する原因になります。最低でも年1回は風を逃がすための透かし剪定をしましょう。春に伸びた枝が固くなった6~7月ころが最適期で、樹木の休眠期に入る10月~3月頃にも一度お手入れするのがよいでしょう。成長は比較的ゆっくりですが、放っておくと大木にまで成長する庭木なので、樹高を2~3mほどに留めるためのお手入れには、剪定のセンスや技術が必要です。

基本的に肥料は不要ですが、葉の茂り方や花数を増やしたい時には、2~3月のあいだに緩効性の肥料を根元に与えましょう。

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•【Before&After】


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