枝先に小枝を車輪状に出し、梅の花に似たかわいらしい花を付ける「シャリンバイ(車輪梅)」。今回は常緑性で生垣にも最適なシャリンバイを紹介します。
シャリンバイってどんな木?
シャリンバイは耐暑性が強く、大気汚染にも耐えられる樹木です。そのため工場や大きな道路沿いの排気ガスが多い場所で活用されています。また、潮風にも強いのため空港や海の近くにある家庭でも好まれまる樹木です。
刈り込みにも耐えることができるうえ、樹高は1~4mほどで低木~中木です。お手入れによって管理することで生垣として活用されることも多いです。花咲くイメージが少ない生垣ですが、シャリンバイなら一年中目隠し効果を保ち、春には可愛らしい花も愛でることができる生垣となります。
4月中旬~5月ころ枝先に花を咲かせます。新芽の葉は赤みがかることがあります。秋には黒紫色の実を付けますが、果肉部分が少なく食用には適しません。野鳥には、そこそこ人気の実のようです。
シャリンバイは奄美大島や沖縄では、その木の皮を煮込んで伝統的な織物の染料として使われているそうです。シャリンバイに含まれるタンニン酸色素と泥田のなかの鉄分を使って、動物性の絹に染色することで、色落ちせず深く光沢のある渋い黒に染まるのだそうです。
シャリンバイの種類
■シャリンバイ…樹高が1~4mになる。タチシャリンバイとも呼ばれることもある。花色は白。
■マルバシャリンバイ…本州・四国・九州・朝鮮半島に分布。葉の幅が広めでやや丸みを帯びている。枝が横に張りやすく樹高は低め。
■ベニバナシャリンバイ…シャリンバイと中国原産のインディカ種との交雑種。花色は桃色。
■ホソバシャリンバイ…沖縄などの亜熱帯に分布。葉の幅が狭く、やや尖った形。
■ヒメシャリンバイ…葉がほかのシャリンバイより小さい。花色はピンクもある。
シャリンバイのお手入れ
毎年春に花を楽しむための剪定最適期は、花が咲き終わったから6月ころまでです。7月中旬ころから翌年開花する花芽が作られます。枝先に花芽ができるので、花芽ができる前に剪定することをおすすめします。
若木のころは、勢いよく成長し伸びた枝が樹形を乱すこともありますが、ある程度成長したシャリンバイは成長がゆっくりでまとまりもよい木です。けれどもカイガラムシの発生が見られることが多いので、定期的なお手入れで樹幹への日当たりと風通しをよくしておくことが大切です。
カイガラムシはすす病の発生原因にもなります。見た目が悪くなるのみならず、木の光合成を妨げ枯れに繋がることもあります。カイガラムシは成長すると貝殻のようなロウ質物で体が覆われるため、薬剤が効きにくくなります。見つけたらすぐに消毒するのが有効です。
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