2月下旬ころから甘い香りを漂わせはじめる「ジンチョウゲ(沈丁花)」。夏のクチナシ、秋のキンモクセイとともに三大香木として親しまれているジンチョウゲをご紹介します。
ジンチョウゲの特徴
高さは1~1.2mくらいの常緑低木のジンチョウゲ。成長はゆっくりで枝葉を密生させます。耐寒性はあまり強くなく、-5℃程度です。樹木の中では寿命が短く、20~30年と言われています。
丈夫で樹形もまとまりやすく、排水がよければ、日当たりのよい場所から半日陰程度でも育ちます。ただし、移植は好みませんので、一度植えた場所からの移動は控えたほうがいい庭木です。
2月下旬ころ~4月上旬、枝先に外面が紅紫色、内面が白色の星形の花を10~20集めた固まり状に枝先に咲かせます。花弁のように見える部分はガクで、花持ちはいいほうです。
雌雄異株で雄株と雌株がありますが、日本に流通しているのはほとんど雄株です。
お手入れ方法
ジンチョウゲは、自然と丸みを帯びた樹形に整いますが、枝を密生させるので放置して、主幹への風通しが悪かったり、排水が悪かったりすると、病害虫の被害をうけてしまいます。
樹木全体の成育が悪くなる「白紋羽病」、葉に斑点が多数発生し進行すると落葉し、最悪丸坊主になることもある「斑点病」、地面が白い糸で覆われたようになり立ち枯れる「白絹病」、葉や花弁に濃淡のまだら模様ができ、株が委縮する「モザイク病」などを誘発します。
ジンチョウゲが健康で丈夫に育つためには、剪定最適期の花後すぐの4月上旬~5月に間引き剪定がおすすめです。
ジンチョウゲは6月ころから次の年の花芽を付け、春まで時間をかけて花芽を成長させます。そのため、夏以降に剪定すると翌年の花芽を切り落としてしまう危険性があるので、花が終わったら早めに剪定するのがおすすめです。
ジンチョウゲの種類
街中でよく見かける代表的なジンチョウゲ、外面が紅紫色、中面が白色のものは「ウスイロジンチョウゲ」と言います。他にも白い花を咲かせる「シロバナジンチョウゲ」、黄色い花を咲かせる「キバナジンチョウゲ」、葉に淡黄白色の斑が入る「フイリジンチョウゲ」などがあります。
どれもとてもかわいらしく、香りのよく、育てやすい花木です。
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