場所を選ばずベランダでもできて、気軽にはじめられる家庭菜園をご存知ですか?恵泉女子学園大学教授で、テレビ番組の講師としておなじみの藤田智さんに教えていただいた「野菜の袋栽培」をご紹介します。
袋栽培とは
「十分なスペースがない」「手間がかかりそう」など諦めていた人も手軽にはじめられる小さな家庭菜園です。市販の培養土を袋のまま、プランター代わりに使って野菜を育てる。それが袋栽培です。
じゃがいもの袋栽培方法
【用意するもの】
市販の培養土(25L袋)
種イモ(1~2個)
化成肥料
袋カバー(あれば麻袋など)
目打ちやドライバーなど袋に穴あけられるもの
バケツまたは袋(取り置き用の土を入れるもの)
【袋栽培のポイント】
■袋の大きさにあわせた分量で栽培
■袋は、すのこやレンガなどの上に設置して水はけよく。さらにキャスター付きの台を利用すれば、移動ができて便利!
■光が直接、土にあたらないように透明じゃない袋の培養土を使用する。または土袋カバーを!麻袋なら水はけがよく、見た目もおしゃれに。
【栽培手順】
1、植付け準備
培養土袋の底、両端を折り返し底面が安定するようにする。排水用に、底面に6か所ほど、両側面に上下2列で約5か所ずつ穴をあける。
袋の上部を切り開き、土を半分くらいバケツなどに取り置いておく。培養土の袋が透明の物などは、このときに麻袋などの袋カバーをかぶせる。そして袋の上部を土から3cm位のところまでカバーごと折り返す。
2、種イモの植付け
25L袋の培養土一袋に対して、種イモは40gほどのものならそのまま、2つくらい。70~80gくらいのものなら半分に切りわせて、切り口を2~3日乾かしたものを2かけ植えます。
深さ5cmのところに、15cmほど間隔をあけ、切り分けたものは切り口を下にして植付けます。
植付けたら、下から水が出るまでたっぷりと与えます。その後は、芽が出るまで、水は控えます!
3、芽かき、追肥、増し土
草丈が10~15cmになったら、丈夫な太い芽を2本残して、他の細い芽は摘み取ります(芽かき)。
芽かきをしたら、取り置いておいた土を5cmくらい足します。その後、花が咲くころに残りの土をすべて足します(増し土)。
土を足すタイミングで化成肥料を10gほど与えます。ただし、与えすぎには注意。肥料を与えすぎると苗がダメになることがあります。
4、収穫
葉が黄色く枯れてきたら収穫のサイン。3日ほど水やりをやめて、土が乾いたら芋を掘り出してます。
ジャガイモの栽培方法を例としてご紹介しましたが、他の野菜でも袋栽培できます。枝豆やキュウリ、ナス、トマトなどは袋を横にして使います。いろんな野菜を育てて楽しんでください。
【監修 藤田 智(ふじた さとし)】
恵泉女子学園大学 人間社会学部教授。専門は野菜園芸学、植物育種学、農業教育学。『趣味の園芸やさいの時間』『世界一受けたい授業』などのTV出演。野菜栽培関連の著書多数。