1月~2月初旬に、香り高く小さな黄色い花を咲かせる「ロウバイ(蝋梅)」。まるでロウ細工のような透明感のある花びらの様子から、その名が付いたといわれています。冬のお庭を彩る庭木としておすすめのロウバイのお手入れをご紹介します。
植付けは場所を選んで
ロウバイは丈夫で、日本の気候にも適している樹木です。半日陰でも成長しますが、日当たりが悪いと花付きが悪くなることがあります。移植(植替え)が難しいので、日当たりや水はけなど条件をあらかじめよく考えたうえで、植付けることをおすすめします。
花を楽しむ剪定
ロウバイはその年に伸びた短い枝に花芽を付けます。そのため、新梢(新しく伸び出た枝)が伸び出す前の花後すぐ、2月~3月が剪定適期です。
勢いよく伸びた長い枝には、ほとんど花が付かないので、花後に付け根から20cmほど残して短く切りつめます。また、交差した枝や、内側に向かって伸びた枝を剪定すると、樹幹への日当たりが改善され、花付きがよくなります。
若木のうちは樹形が乱れやすいので、小まめな剪定が必要です。樹形が決まれば、年に一度、形を整える程度の剪定で管理することができます。
枝葉が込み合ったり、樹形が乱れてしまったりしたときは、落葉後に軽く剪定するとよいでしょう。また、根元から「ひこばえ」と呼ばれる勢いのある枝がたくさん出ます。ひこばえに、株の栄養を取られてしまうので、早めに根元から取り除きます。
花付きをよくする施肥
定期的な剪定にくわえて、花付きをよくするために施肥も大切なお手入れです。1月~2月の寒肥(かんごえ・かんぴ)にくわえて、成長期である5月~6月、8月~9月の年3回施しましょう。肥料は緩効性のものを、窒素分の多いものは避けます。根元から30cmほど離れたところに、深さ10cmほどの穴を掘り、肥料を埋めて施すのが理想的です。
ロウバイの実
ロウバイは、春に若い実を付け、6月ころにはその実が熟します。名前に「梅」という字が使われていますが、その由来は花の香りや見た目、咲く時期が梅と似ていることからで、バラ科の梅とは違うロウバイ科に属します。そのため、実の形も梅とは少し違います。
ロウバイの花は、乾燥させ漢方薬として利用されますが、実(種子)にはアルカロイド系の毒が含まれますので、間違えて口にすることがないように注意が必要です。
ロウバイの楽しみ方
ロウバイは「雪中四友(せっちゅうしゆう)」とよばれ、画題として好まれる冬の4種の花の一つとされています。また、たいへんよい香りを放つことでも知られます。
切り花として花瓶に生ければ、お部屋でもロウバイの豊かな甘い香りが楽しめます。花が落ちやすいので、落ちてしまったときは水を張ったガラス皿などに花だけ浮かべて飾るのもおすすめです。
適切なお手入れで、毎年、可愛らしい花と香りを楽しみましょう。
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