美しい花と気品のある香りで、人々を惹きつける「バラ」。「愛」や「美」の象徴とされ、記念日や大切な人に贈る定番の花でもあります。バラを育てて、美しい花を身近で楽しむためのお手入れ方法をご紹介します。
バラの種類
バラは交配の歴史も古く、毎年たくさんの新品種が誕生しています。その種類は一万種以上あるといわれ、色や形だけでなく咲き方も様ざまです。
一季咲き:年に一度(春)開花
二季咲き:年に二度(春と秋)開花
返り咲き:春の花後に剪定すると、もう一度花芽をつける(花の数や、開花時期は不確定)
四季咲き:花後に剪定すると、次の花芽が出て、一年をとおして花が楽しめる
基本のお手入れは休眠期に
大きさを管理しながら、花付きよく育てるために大切なお手入れが剪定(せんてい)です。落葉樹であるバラの基本剪定は、休眠期の冬が適期。種類によっても適した時期やお手入れ方法は違いますが、木立ち性のバラは1月~2月ころ、つる性のバラは12月~2月ころに、枯れ枝や細枝、込みあった枝を取り除き、樹形を整えるとよいでしょう。
休眠期(冬)にお手入れすることで、剪定によるダメージを抑えて樹形を仕立てることができます。また、枝数を整理すると風通しが改善され、バラの健康維持にもつながります。
また、二季咲き、四季咲きのバラは、基本剪定にくわえて8月下旬~9月ころにもう一度剪定します、夏に伸びた枝を切り整えることで、樹形をコンパクトに抑えて、秋の開花時期を揃える効果もあります。
花付きをよくする「施肥」
美しい花をたくさん咲かせるために、施肥も欠かせないお手入れです。11月下旬~2月に施す肥料は「寒肥:かんごえ」といい、新しい芽吹きのための大切な栄養源になります。根元から30cmほど離れたところに穴を掘り、油かすや牛糞などの有機肥料を与えましょう。
くわえて、春以降もバラの開花サイクルにあわせて肥料を施すと、花咲きがよくなります。とくに、近年は四季咲きの品種が増えていることもあり、施肥は成育の良し悪しを左右する重要なお手入れです。
■3月下旬~4月上旬
1株に対して一握りほどの化成肥料を根元に与え、軽く混ぜ込む
■5月~6月
開花ピークの終わりころ~開花後、「お礼肥:おれいごえ」として化成肥料を与える
■8月(二季咲き・四季咲き)
夏の剪定(8月下旬~9月上旬)の前に、樹勢を回復させるため追肥する
■9月下旬~10月(二季咲き・四季咲き)
秋の開花に向けて有機肥料を与える。根を傷つけないように注意して、根元の土に混ぜ込む
病害虫対策
バラを育てるうえで、悩みの一つが病害虫です。育てる環境、天候、季節でも発生する症状は違いますが、病気は「黒点病」「うどんこ病」「さび病」、害虫は「アブラムシ」「ハダニ」「カミキリムシ」による被害が多いようです。病害虫対策として、まずはバラの様子を日々観察することが大切です。枝葉や花に変色や変形が無いか、また害虫やその卵などは見つけ次第、早めに取り除きましょう。また、症状にあわせた薬剤による予防消毒も効果的です。
バラの花言葉
花束の定番でもあるバラ。代表的な花言葉は「愛」「美」ですが、色や贈る本数によっても、それぞれ花言葉があります。最後に、その一部をご紹介します。
【色】
赤:「情熱」「あなたを愛します」「美貌」
白:「尊敬」「純潔」「私はあなたにふさわしい」
ピンク:「感謝」「幸福」「可愛い人」
黄:「友情」「平和」「愛の告白」
紫:「誇り」「気品」
【本数】
1本:「一目ぼれ」「あなたしかいない」
2本:「この世界は二人だけ」
3本:「愛しています」
4本:「死ぬまで気持ちは変わりません」
5本:「あなたに出会えたことの喜び」
6本:「お互いに敬い、愛し、分かち合いましょう」
7本:「ひそかな愛」
8本:「あなたの思いやりに感謝」
9本:「一緒にいてください」
10本:「あなたは完璧」
11本:「最愛」
12本:「私と付き合ってください」
13本:「永遠の友情」
14本:「誇り」
15本:「I am sorry」
100本:「100%の愛」
108本:「結婚してください」
バラは手をかけた分、美しい花をたくさん付けてくれます。種類と開花サイクルに合わせて、こまめにお手入れしながらバラ栽培を楽しみましょう。
クイック・ガーデニングが手掛けた「バラ(薔薇)」のお手入れ実績がご覧いただけます