自然の力で植物を元気に！「コンパニオンプランツ」

「コンパニオンプランツ」とは、2種類以上の植物を一緒に育てることで、病害虫の発生を軽減したり成育を助け合ったりするなど、お互いによい影響を与える植物のことをいいます。

コンパニオンプランツの効果

コンパニオンプランツを活用して植物を育てることで、おもに下記のような効果が期待できます。

害虫忌避
・香りの強い植物を利用して、特定の虫を遠ざける
・作物に付く害虫の天敵が集まる植物を近くに植えることで、害虫を捕食してもらう
（コンパニオンプランツの一種で「バンカープランツ」と呼ぶ）

病害予防
・植物の根に共生する微生物のはたらきにより、特定の病気の発生を抑える

結実促進
・作物の受粉を手助けしてくれるハチなどの昆虫を集める植物を利用して、結実・収穫を促進する

成長促進
・必要とする肥料成分がそれぞれ異なる植物を一緒に植えることで、互いに養分を融通し合う
・性質の異なる植物を組み合わせて植えることで、お互いの成育を助ける
（例：成長にたくさん水分を必要とする植物と乾燥に強い植物、多くの日照を必要とする植物と日陰でも育つ植物など）

コンパニオンプランツについては、科学的な効果が立証されていないものも多く、そのほとんどは経験則にもとづくものとされています。そのため、植える場所や気候などの条件によっても効果は異なるようです。はじめは何種類も混植せずに、１対１で植えて様子をみるのがいいでしょう。

代表的なコンパニオンプランツ

「ネギ類」
「長ネギ」「ニラ」「ニンニク」などのネギ類には、根に共生する善玉菌（拮抗菌）に病害予防効果があることがわかっています。

 

「マリーゴールド」
マリーゴールドは「ネコブセンチュウ」（植物の根に寄生する線虫で、被害を受けると根がコブ状にふくらむ）に対する殺菌効果があるといわれています。また、葉の臭いには「アブラムシ」や「コナジラミ」を避ける効果も期待できます。ただし、花が咲くと葉や果実を食害する「オオタバコガ」の幼虫を引き寄せることがあるので、とくにナス科の植物との組み合わせには注意が必要です。

 

「カモミール」
“植物のお医者さん”との呼び名もあるカモミールは、周りに植えられた植物を元気にするといわれています。とくに、「キャベツ」や「ブロッコリー」などのアブラナ科の植物の成長を促す作用があるようです。

このほか、香りの強い「パセリ」や「セロリ」などの野菜、ハーブ類は害虫を遠ざける効果があるといわれています。

相性のよい組み合わせ

「バラ」×「ミント」・「ネギ類」
バラには、「アブラムシ」などの害虫を香りで遠ざけるコンパニオンプランツがおすすめです。ネギやミントは収穫して料理やハーブティーに利用できるほか、ネギ類のなかでも「ハナニラ」は春に星形のかわいい花を楽しむことができます。

 

「トマト」×「バジル」・「ネギ類」
ネギ類の植物は、土壌に発生する病原菌を抑えるほか、強い香りでトマトにつく害虫を遠ざけます。バジルも香りで害虫を遠ざける効果にくわえ、一緒に植えることで互いの成長を促進し、トマトの風味を増すといわれています。

 

「エダマメ」×「トウモロコシ」・「バジル」
エダマメはトウモロコシにつく害虫「フキノメイガ」を、トウモロコシはエダマメにつく害虫「カメムシ」をそれぞれ遠ざけるといわれています。また、エダマメは半日陰でも栽培が可能なので、背丈の高いトウモロコシのそばでも十分に育ちます。

 

「キュウリ」×「ネギ類」
ネギ類の植物の香りは、キュウリがかかる「つる割病」という病気を予防したり、アブラムシを遠ざけたりする効果があります。キュウリのみでなく、ウリ科の植物はネギ類の植物と相性がよいといわれています。

 

また、互いによい影響を与え合うコンパニオンプランツとは反対に、組み合わせを間違えると互いの成育が悪くなってしまうこともあります。複数種を近くで育てるときは、植物それぞれの特性を知って、より効果的な組み合わせで植栽するようにしましょう。

コンパニオンプランツを活用しよう

コンパニオンプランツの活用の場として、ガーデニングのほか、家庭菜園がおすすめです。作物を育てるときに、害虫を遠ざける効果がある植物と一緒に植栽すれば、薬剤の使用量を減らせることが期待できます。また、草丈の違いや、成長速度の違いを上手に利用して植える作物を組み合わせることで、限られたスペースでも、複数の種類の収穫を楽しむこともできます。

植物それぞれの力を生かした植栽で、花や作物の育成を楽しんでみてはいかがでしょうか。

クイック・ガーデニングでは、植木のほか草花の「植栽」も承っております。