東洋のハイビスカス「ムクゲ」

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「ムクゲ」は夏から秋にかけて美しく大きな花を咲かせ、生垣や庭木として人気のある樹木です。花色は白、赤、紫など様ざまで、花の形も一重のものから八重のものまで園芸品種も豊富です。

アオイ科フヨウ属に分類されるムクゲですが、同じアオイ科の植物には「ハイビスカス」など花の形が似ているものもあり、ムクゲは「東洋のハイビスカス」と呼ばれることもあるようです。

歴史のなかの「ムクゲ」

ムクゲの原産はインド・中国で、日本には奈良時代ころ中国より渡来したと言われています。 日本では庭木としてはもちろん、古くから夏の茶花(ちゃばな:茶室に生ける花)としても用いられてきました。ムクゲの花は夜明けとともに開花し夕方にはしぼんでしまうことから、その儚さは「槿花(きんか)一日の栄(夢)」と故事にもあらわされており、冬の「ツバキ」と並び茶人たちに愛されてきました。

また、大韓民国では国を象徴する花とされており、国章に花のモチーフが使われているほか、軍や警察の階級章やホテルの格付けを表す星の代わりにムクゲが使用されるなど、人々に広く親しまれています。

ムクゲの仲間と見分け方

ムクゲと同じアオイ科の仲間で花の形が似ているものとしてハイビスカスのほか、「フヨウ」「タチアオイ」などがあります。とくに、ムクゲとフヨウは花の形がよく似ているだけでなく、ともに開花時期が7月~10月であり同じころに咲くので見分けるのが難しいです。
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見分け方は葉の形と大きさを見るのがわかりやすく、鋸葉(のこぎりば:ギザギザと深い切れ込みがある葉)で大きさは花より小さいものがムクゲ、掌のような形で花と同じくらいの大きさものがフヨウです。

ちなみにハイビスカスは開花時期が6月~と少し早く、葉の切れ込みが浅くツヤがあるのが特徴です。

お手入れは適期に

暑さ寒さに強く、丈夫なので初心者でも育てやすい樹木です。萌芽力(ほうがりょく:芽吹く力)が強いため、年に一度は剪定(せんてい)をしましょう。ムクゲは春に伸ばした枝に花を咲かせるので、より多くの花を楽しみたいときは適期である11月~3月に剪定するとよいでしょう。

またムクゲには「アブラムシ」や「ハマキムシ」などの害虫がつきやすいので、害虫を発見したときは早めに消毒するなどして、駆除しましょう。枝葉が込み合って、樹幹への日当たりや風通しが悪くなることでも病害虫が発生しやすくなるので、予防のためにも定期的に剪定することをおすすめします。

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