お庭の植木や草花など、緑は見る人の気持ちを穏やかに癒し、私たちの生活に潤いを与えてくれます。しかし、大切な植木もお手入れをしなければ病気や害虫に蝕まれて変色したり、枯れてしまうことがあります。
温暖化による気温上昇の影響もあり、病気や害虫の被害が増加しているといわれる昨今。植木の病気や害虫について正しく知ることで予防、対策に役立てましょう。
庭木の病気?害虫?
庭木の葉に変色や枯れ、穴あきなどはありませんか?これらの症状が見られる場合、原因には病気や害虫が考えられます。病気になると、植物の一部にだけ異常が出たり、異臭がすることもあります。一方、害虫による被害では原因となる害虫やその卵が葉や茎についているため、よく観察しましょう。上記の条件にあてはまらない場合、栄養障害(養分、水分の過不足)で変色や枯れが起こることもあります。
庭木の病気や害虫発生のサイン
枝や葉にクモの巣状の網が張っているようなときは、クモの仲間の「ハダニ」の発生が考えられます。また「アブラムシ」や「カイガラムシ」がついている植物には、その排泄物目当てのアリが登ってきたり、葉に灰白色のゴミのような汚れがつきます。
害虫は葉を食い荒らすだけでなく、ウイルスを媒介することもあり、害虫が発生した植物は病気にもかかりやすくなります。葉に黒色の病斑が見られたら「すす病」、表面が白いカビで覆われていたり、葉が焼いた餅のように球状に膨らんでいたら「もち病」の疑いがあります。
葉の表面だけでなく裏面も時々観察することで、色の変化などの異常に早めに気づくことができます。
庭木の病気や害虫被害
病気や害虫が発生すると、葉の変色、変形、食い荒らしなどで庭木の生育が悪くなり、やがて枯れてしまうこともあります。また、その植木だけにとどまらず周囲の植物にも感染する恐れがあり、対応が遅れると被害が拡大してしまいます。
さらに、害虫のなかには植物のみでなく、人にも被害を及ぼすものがあります。激しいかゆみやかぶれを引き起こすこともあり、注意が必要です。
人間にも害を及ぼす害虫
7月~8月ころに、柿、桜、梅、カエデ類などの樹木で発生する、鮮やかな黄緑色の「イラガ」の幼虫(毛虫)。刺されると感電したかのような痛みに襲われ、湿疹、水ぶくれ、痒みなどの皮膚炎を引き起こします。イラガの種類によっては年2回発生するものもあり、秋には落ち葉などに隠れていることもあるので気を付けましょう。
椿や山茶花に発生することの多い「チャドクガ」も特に注意が必要な害虫です。チャドクガの卵や幼虫(毛虫)には毒針毛があり、触れてしまうと激しいかゆみを伴いかぶれます。また、毒毛は風に乗って飛ぶこともあるので、触れた覚えがなくても近くをとおったり、洗濯物に付着することで症状が出ることもあります。
毒毛に触れてもすぐに症状は出ず、2~3時間後にかゆみが出ます。チャドクガに触れてしまったときは、払ってしまうと被害が広がるので、触れてしまった箇所(皮膚や洋服)の毒毛をガムテープなどを使って取り除きましょう。
毒毛が付いた衣類を洗う場合は、通常洗濯では毒を取り除ききれず、再び被害を受けることもあります。チャドクガの毒は熱に弱いので、50度以上のお湯で洗うようにしましょう。またアナフィラキシーショックを起こすこともあるので、症状がひどい場合は医師の診察を受けることをおすすめします。
庭木の病気や害虫発生時期
クイック・ガーデニングが手掛けた消毒のお手入れ実績がご覧いただけます