秋の終わりから冬にかけて、花を咲かせる「山茶花(サザンカ)」。日本を原産地とし、江戸時代から栽培が盛んに行われるなど庭木として人気の高い花木です。開花の最盛期は12月頃で、童謡の『たき火』でも「さざんか さざんか 咲いた道」と歌われるなど、冬に咲く花として親しまれています。
「山茶花」と「椿」の特徴
山茶花は花や葉の形が、おなじく冬の花として知られる同属の「椿(ツバキ)」とよく似ています。
山茶花の花は10月~2月に完全に開き、散るときは花弁が一枚ずつパラパラと落ちます。葉は小さめで、先が尖り縁はギザギザしています。これに対して、椿の花は12月~4月に筒状に咲き、散るときは鍔(ガク)を残して花の全体が落ちます。葉は革質で艶があります。
山茶花と椿は品種改良を繰り返されたことで、開花の時期や花の形、散り方が似ているものもあり、区別するのが難しい場合もあります。
「山茶花」の種類
古くから人々に愛され多くの園芸種がある山茶花は、現在300種類以上もあり、花の咲く時期や形によって「サザンカ郡」「カンツバキ郡」「ハルサザンカ郡」の3種のグループに分けることができます。また花弁のつき方によっても「一重咲き」「八重咲き」「牡丹咲き」などがあり、種類が豊富です。
花の色は「赤」「白」「桃色」など様ざまで、色別の花言葉があります。
「赤」→「あなたはもっと美しい」
「白」→「あなたは私の愛を退ける」
「桃色」→「永遠の愛」
お手入れと害虫予防
放任しても花付きが良く、ある程度樹形もまとまりますが、害虫である「チャドクガ」が付きやすいため注意が必要です。特にチャドクガの幼虫(毛虫)には毒針毛があるため、葉に食べられた跡を見つけた場合は不用意に触らないようにしましょう。
チャドクガなどの害虫は定期的に剪定し、風通しをよくすることで予防できます。ただし花芽形成がなされた後(6月中旬~)に強い剪定を行うと、花が咲かなくなってしまうので注意しましょう。
冬のお庭を彩る「山茶花」
花や緑の彩りが少ない季節に花を咲かせる山茶花は、冬の花木の代名詞の一つです。庭木としてお庭を華やかにしてくれることはもちろん、生垣としても人気があります。ぜひお庭に植えてみてはいかがでしょうか。
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