「八重桜(ヤエザクラ)」は「牡丹桜」などの別名をもつゴージャスな桜です。じつはこれらの名称は品種ではなく、花弁を5枚もつ一重咲きの桜(「ソメイヨシノ」など)に対して、花弁が幾重にもなった花をつける桜の全般を指す総称です。花弁が幾重も重なっていることを「花弁=知識」にたとえて、「よい教育」「豊かな教養」といった花言葉が与えられています。
開花時期
街中でよく見られる八重桜には、「カンザン(関山)」「フゲンゾウ(普賢象)」「フクロクジュ(福禄寿)」などがあり、すべて八重桜と呼ばれます。一般的に、「ソメイヨシノ」の開花から1~2週間あとに、八重桜は見ごろを迎えます。
ほかの桜同様、短期間に散りゆく姿には凛とした可憐さがあります。いっぽうで一重咲きの桜とは違い、葉の緑と花の色彩が混じり合った優しい雰囲気の美しさが楽しめるのは、ソメイヨシノなどにはない魅力です。
健やかな姿を保つために
八重桜は、日当たりと風通しのよい場所を好みます。幼木のうちは風で倒れてしまうこともあるので、支柱を立てて支えると安心です。
また、花を咲かせるにはたくさんのエネルギーが必要なので、開花前(2月ころ)と花期後(5月ころ)には、有機質の肥料または効果が一定期間持続するタイプの化成肥料を与えましょう。
剪定は落葉後、枝の途中から上に向かって勢いよく伸びる新梢(徒長枝)が細かいうちに行います。桜は切り口から病気になりやすい樹木のため、一度に大きく切るのではなく、毎年定期的に剪定することで整った樹形が保たれるようが手入れをします。
食しても楽しめる八重桜
八重桜の花は、塩漬けにすることで食べて楽しむこともできます。塩漬けにした花は、お菓子やお茶、おむすびの香り付けや飾りなどに用いられ、食卓に春らしい彩を添える食材として重宝されています。
「八重桜」のほかにも日本では「ソメイヨシノ」 「しだれ桜」 「オオシマザクラ(大島桜)」 「寒桜」など、多彩な桜が親しまれています。桜には原種9種、変種100種ほどあり、園芸品種は300種以上あるといわれています。
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•【Before&After】