庭木としてだけではなく、盆栽として育てても存分に魅力が味わえる「ゴヨウマツ(五葉松)」。海外でも盆栽愛好家の数が増え、その枝葉は世界へ広がりをみせています。
手を入れるほど味わいが増す
一般的に松の葉(針葉)は2本が対(つい)になっていますが、ゴヨウマツは葉が5本ずつ束になっていることから「五葉松」の名が付いています。葉が短く生長が遅いことから「姫小松(ヒメコマツ)」とも呼ばれます。
樹高は25メートル以上に達するものもありますが、幹や枝が曲げやすく、自由に仕立てを楽しめることから盆栽に多用されます。
ゴヨウマツの樹皮は、若木は明るい灰色で滑らかですが、老木になると暗灰色となり、亀の甲羅のような割れ目が入り、剥がれ落ちます。
世界を魅了する日本の盆栽
近年、盆栽に夢中になる人が海外でも急増しています。“BONSAI”は見た目の美しさだけでなく、自分自身で育て楽しむことができるアートとして高く評価されています。なかでも盆栽に向き、扱いやすいゴヨウマツは人気の樹木となっています。
「五葉松」を仕立てて楽しむ
ゴヨウマツは乾燥に強い性質ではありますが、生長はとても遅く、庭木に使えるようになるまでにかなりの年月と手間がかかります。そのため立派に育ったゴヨウマツは庭木として大変高い価値があるとされています。
葉が短く密生するため、松ならではのお手入れである「みどり摘み」と「もみ上げ」作業を行い、病害虫を予防することが大切です。
芳香も魅力の贈り物にもぴったりな松
ゴヨウマツの語呂は「御用(仕事)を待つ」を連想させることから、とくに商売人に好まれ、昔からおめでたい席に用いられてきました。このような言葉遊びから、最近では父の日のプレゼントとしてゴヨウマツを贈ることもあるようです。
また、同じマツ属の「アカマツ」や「クロマツ」と比べて、ゴヨウマツは独特の甘くさわやかな香りをもつことから、エッセンシャルオイル(精油)としても注目を浴びています。
庭木や盆栽だけでなく、香りによるリラックス効果や、リフレッシュ効果も期待できる「ゴヨウマツ」。美しい仕立てを眺めたり、香りを活用するなど、色々な方法で楽しんでみてはいかがでしょうか。
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