春の香りを運ぶ「オオシマザクラ(大島桜)」

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「オオシマザクラ(大島桜)」は「大島桜」の名の通り、伊豆大島などの伊豆諸島が原産であるとされ、薪炭に用いられることから「タキギザクラ」とも呼ばれます。3月~4月ころに香り高い花が咲き、匂いでも人びとを楽しませてくれます。

花と若葉が同時に楽しめる「オオシマザクラ」

オオシマザクラは生長すると樹高が10メートル以上に達し、開花とほぼ同時に若葉が伸びるため、花の時期には新緑の緑色と花の白色が混ざった美しい姿となります。

果実は食用のさくらんぼの4分の1~2分の1ほどの大きさで、初夏は赤色ですが5月~7月に熟すと黒色に変わります。果実はおいしそうに見えますが、苦味が強いため生食には適しません。

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花のみならず葉も楽しめる「オオシマザクラ」

いっぽうでオオシマザクラの葉は食品として利用されます。桜にちなんだ和菓子「桜餅」にはオオシマザクラの葉の塩漬けが使われます。オオシマザクラはほかの桜と比べて葉の香りが強いことも特徴の一つです。

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「ソメイヨシノ」を産んだ「オオシマザクラ」

桜の代名詞である「ソメイヨシノ」は、本種と「エドヒガン」を交配して誕生した品種です。その他にもオオシマザクラは「フユザクラ」や花香の豊かな各種の「匂い桜」など、多くの園芸品種の母種になっています。

切りすぎに注意して定期的な消毒を

ほかの桜同様、剪定は必要最小限としましょう。高さを抑えたり、風通しや日当たりの改善のために剪定したあとは、切り口に殺菌剤を塗布するなどの方法で処置します。

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4月~9月頃までは害虫が発生しやすいので注意が必要です。とくにガの幼虫である「アメリカシロヒトリ」という毛虫は、年に2~3回発生するので、定期的な消毒で被害を防ぎましょう。

「オオシマザクラ」のほかにも日本では「しだれ桜」 「八重桜」 「ソメイヨシノ」 「寒桜」など多彩な桜が親しまれています。 桜には原種9種、変種100種ほどあり、園芸品種は300種以上あるといわれています。

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