柘植(ツゲ)は成長が遅い木ですが、枝が密集しやすく、放置すると樹形が乱れたり、風通しが悪くなったりします。
定期的な剪定を行うことで、整った形を維持し、木の健康を保つことが可能です。
これには技術が必要ですが、剪定を通じて美しい樹形を作り出せることが、柘植の魅力であり、庭作りの楽しみの一つでもあります。
1. 柘植の剪定時期
2. 柘植の剪定は必要?
3. 柘植の剪定に必要な道具
4. 柘植の剪定方法
5. 柘植の剪定で切るべき枝
6. 柘植を剪定するときの注意点
7. 柘植の育て方のポイント
8. まとめ
1. 柘植の剪定時期
柘植の剪定時期は、年に2回が適しています。具体的には、6月と9月から10月中旬頃です。
6月:春に新芽が伸びて樹形が乱れるため、この時期に適度な剪定を行います。梅雨明けに作業を行うとより良いでしょう。
9月から10月中旬:成長が落ち着き、休眠期に入る前に軽く整える程度に剪定します。寒冷地では11月以降の剪定を避けるのが無難です。
2. 柘植の剪定は必要?
柘植は整った樹形を保つことで、非常に見栄えが良くなります。
特に庭や生垣として利用されることが多い柘植は、定期的な剪定によって美しい形を維持することで、全体の景観を引き立てます。
また、剪定を行うことで枝葉が密集しすぎるのを防ぎ、適度な透かしが入ることで風通しが良くなり、光も取り込みやすくなります。
これにより、病害虫の発生を抑える効果もあります。
3. 柘植の剪定に必要な道具
≪必要な道具≫
• 剪定ばさみ:細かい枝を切るために使用します。
• 刈り込みばさみ:広範囲の枝を一度に切るのに適しています。
• 電動バリカン:生垣の剪定に効率が良いですが、細かい作業には手作業の方が適しています。
• 園芸手袋:手を保護するために必須です。
• 脚立:高い場所の枝を剪定する際に便利です。
≪脚立を使用する際の注意点≫
• 安定した足場:必ず平らで固い安定した足場を確保してください。
• 補助者の配置:高所作業時には補助者がいると安全です。
•取り扱い説明書の確認:脚立の取り扱い説明書を確認し、脚立が倒れないよう十分に注意しましょう。
• 安全第一:慣れていない作業は怪我につながる可能性があるため、不安を感じる場合は業者への依頼をおすすめします。
≪あると便利な道具≫
• ノコギリ:太い枝を切る場合に必要です。枝の太さに応じて適切なノコギリを選びましょう。
• 保護メガネ:剪定枝の落下や裁断時の細かな塵から目を保護します。高所作業や風の強い日には特に推奨されます。
• ビニールシートや新聞紙:剪定後の枝葉を集めるために敷きます。
• ゴミ袋:剪定後の枝葉をすぐに片付けるために使用します。
• ちりとりやほうき:剪定後の掃除をスムーズに行えます。
4. 柘植の剪定方法
1.適切な時期を選ぶ
2.必要な道具を準備する
3.剪定の基本手順
①枯れた枝や病気の枝の除去
枯れ枝や病害虫に侵された枝を取り除きます。
②刈り込み剪定(6月)
生垣や庭木の形を整えるために、全体を均一に刈り込む方法です。特に生垣として利用する場合に多く用いられます。新芽が伸びて樹形が乱れる時期のため、適度に形を整えます。ただし、深く刈り込むと再生に時間がかかることがあるため注意しましょう。
③間引き剪定(9月~11月)
枝が密集している部分を間引いて、風通しや日当たりを良くする方法です。この時期は成長が落ち着き、休眠期に入る前なので、軽く整える程度にとどめます。寒冷地では11月以降の剪定を避けると良いでしょう。特に内側の混み合った枝を取り除くことで、風通しや病害虫の予防に効果があります。
5. 柘植の剪定で切るべき枝
①枯れた枝や病気の枝
これらの枝は柘植の健康を損なうため、早めに取り除きます。
②徒長枝
他の枝より急激に長く伸びた枝で、葉が少なく栄養の生産が不十分なため、全体のバランスが崩れる原因になります。適切に剪定して形を整えます。
③混み枝
枝が密集して風通しが悪くなり、病害虫の発生を促すため、間引いて風通しや日当たりを良くします。
④逆さ枝(内向枝)
幹の内側に向かって伸びている枝で、日当たりや風通しを妨げ、樹形を乱す原因となります。取り除くことで健康な樹形を維持できます。
⑤絡み枝
他の枝と交差して絡み合った枝で、摩擦によって傷がつきやすくなります。これが病気や虫害の原因となるため、切り落とします。
【生垣のツゲ】
生垣として植えたツゲを剪定するには、剪定ばさみや植木用の電動バリカンを使用して刈り込みましょう。
6. 柘植を剪定するときの注意点
柘植は萌芽力が強く、強剪定にも比較的強い植物です。
剪定後には新しい芽が出やすいものの、成長が遅い特性があるため、深く刈り込みすぎると株の回復に時間がかかることがあります。
特に、休眠期(秋~冬)に強剪定を行うと負担が大きくなるため、成長期(春から初夏)に剪定を行うことが推奨されます。
7. 柘植の育て方のポイント
・適切な場所
日当たりの良い場所を好みますが、半日陰にも耐えます。直射日光が適度に当たる場所が理想的です。
・土質
柘植は弱アルカリ性から中性の土壌を好みますが、弱酸性でも育ちます。日本の土壌は酸性に偏りやすいため、必要に応じて年に1~2回ほど苦土石灰を撒くと良いでしょう。
・肥料
3月頃に緩効性化成肥料を株元に撒き、堆肥や腐葉土などの有機質肥料も併用することで健康に育ちます。
・乾燥対策
柘植は比較的乾燥に強い植物です。通常は降雨で十分育ちますが、植え付け直後や長期間乾燥が続く場合には水やりが必要です。
・病害虫対策
柘植はハマキムシやカイガラムシなどの害虫に狙われやすいです。剪定などで風通しを良くし、害虫が発生した場合には適切な薬剤散布を行うと良いでしょう。新芽が出る時期や害虫が活発になる時期に対策を行うと効果的です。
8. まとめ
柘植の生垣には、さまざまな仕立て方があります。
例えば、『刈り込み仕立て(長方形)』は生垣の基本形で、目隠しや風よけとして利用されます。樹高や幅を均一に整えるため、定期的な剪定が必要です。
また、『半球状刈り込み』は丸い形に仕立てる方法で、庭のアクセントとして人気があります。
さらに、『玉散らし仕立て』は複数の丸い形を組み合わせた立体的なデザインで、より美しい仕上がりになります。
これらの仕立て方は、ご自身で挑戦するのも楽しいですが、初めての場合は研究や練習が必要です。
心配な方はプロに任せるのが安心です。
![]() 冨宇加ナターシャ 2人の男の子の子育てに奮闘するママです。丁寧な暮らしに憧れるズボラ人間でしたが、子育てをしていくうちにオーガニックの魅力に目覚めてしまいました。日々の生活に彩りを加えるガーデニングのコツから、野生の植物の魅力まで、様々な角度から話題をお届けいたします! |